UIとUXの6つの違いを解説!共通する質向上ポイントや関係性まで
UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)はしばしば混同されがちな概念です。
しかし両者は、定義はもちろん、役割やKPI、改善手法などさまざまな違いがあります。
本記事では、UI/UXに関する多角的な支援を提供するTDCソフトが、UIとUXの6つの違いや両者に共通する質向上のポイント、関係性をわかりやすく紹介します。
それぞれの違いを理解し、UI/UXを効果的に改善しましょう。
UIとUXの違いを理解すべき理由
UIとUXの違いを理解できると、課題の本質を見極められるうえ、効果的な改善策を打ち出せるため、チームの生産性が高まります。
以下では、違いを理解すべき理由について紹介します。
課題の所在を正しく判断できる
UIとUXの違いを理解していないと、自社サービスにおけるユーザーの不満の原因を取り違え、不適切な改善に取り組むリスクがあります。
例えば、自社サイトの途中離脱が導線設計(UX)の問題にもかかわらず、見た目(UI)を修正するなど、課題と施策が噛み合わないケースも少なくありません。
一方、UIとUXの違いを理解していれば、成果が伸びない原因を「操作性の問題」か「体験設計そのものの問題」かで整理できます。
これにより、単なる見た目の修正ではなく、ユーザーの行動や意思決定プロセスに踏み込んだ改善が可能になり、より再現性の高い成果につながります。
プロジェクトの連携がスムーズになる
UIはデザイナーやフロントエンド、UXはマーケターなど、それぞれ関わる部門が異なります。
UIとUXの境界が曖昧なまま進めると、対応範囲に認識のズレが生じ、仕様追加やデザイン変更などの手戻りを招きかねません。
一方、それぞれの違いを理解しておくと、担当範囲や部門間での連携タイミングが明確になり、プロジェクトをスムーズに進めることが可能です。
例えば、UX担当のマーケターがまとめたユーザー調査結果を、UI担当のデザイナーが画面デザインに反映するなどの連携も自然に機能します。
結果として、過剰な作業や認識違いによる遅延を防ぎ、プロジェクトのスピードと品質が向上します。
無駄な工数・コストを防げる
UIとUXを混同すると、的外れな改善策に貴重な時間やコストを費やすことになりかねません。
例えば、原因が導線設計(UX)である場合にボタンの色や配置(UI)のみ調整するなど、成果につながらない施策にリソースを割く場合があります。
一方、両者の違いを正しく理解していれば、根本的な課題を特定でき、もっとも効果的な解決策に人的リソースやコストを充てることが可能です。
その結果、限られた予算や工数でも成果を最大化でき、プロジェクト全体の費用対効果が向上します。
UIとUXの6つの違い
以下では、UIとUXの違いを詳しく紹介します。
なお、6つの違いをまとめた一覧表を本見出しの最後にまとめました。
サクッと確認したい方は、ぜひご活用ください。
1.定義の違い
UIとは、ユーザーが製品やサービスと直接触れる見た目や接触部分のことです。
具体的には、ボタン・テキスト・色・画面レイアウトなど、ユーザーが目で見て手で操作するすべての要素がUIに含まれます。
一方、UXとはユーザーが製品やサービスを利用するなかで得られる体験そのものを指します。
利用前の期待から利用中の感情、利用後の満足度まで含む、ユーザーが感じるすべての価値・印象・感情の総体がUXです。
定義の違いを理解できると、それぞれがサービスにおいてどのような役割を果たし、どの範囲を改善すべきかが明確になります。
2.関わる領域の違い
UIとUXでは、プロジェクトで関わる職種や部門の範囲が異なります。
UIは、ビジュアルデザイナーやフロントエンドエンジニアがメインの担当者です。
視覚的な美しさと技術的な実現性を両立させ、ユーザーが直感的に操作できるインターフェースの構築が求められます。
一方、UXはより広範で、多くの部門の協力が必要です。
UXデザイナーは、マーケターやカスタマーサポート、営業、経営層まで幅広いステークホルダーと連携します。
良いUXは、マーケティングや営業、サポートなどすべての顧客接点で一貫した体験が提供されて初めて実現するためです。
つまり、UIは操作画面作りに関わる専門職が中心となるのに対し、UXは一貫した体験の提供を目的に組織横断で取り組む点が大きな違いです。
3.デザイン対象の違い
UIのデザインの対象は、画面や操作方法など、ユーザーがサービスを利用する際のすべての接点です。
一方、UXはユーザーの行動や心理など目に見えないプロセスまで含め、サービス全体の体験をデザインします。
以下が、デザイン対象における具体的な違いです。
| UIのデザイン対象 | UXのデザイン対象 |
|---|---|
|
・レイアウト |
・行動導線 |
UIはユーザーが触れる具体的なパーツの最適化に重点を置き、UXは一連の体験を設計する点が大きな違いです。
4.目的・役割の違い
UIの主な目的は、ユーザーが製品やサービスを簡単に迷いなく操作できるようにし、ストレスのない利用環境を提供することです。
ボタン配置や配色、文字サイズなどを工夫し、ユーザーが操作方法を自然と理解できる状態を作り出します。
一方、UXの目的は、ユーザーがサービスを通じて「満足した」「使って良かった」と感じられる体験の提供です。
目標達成までの負担の少なさや課題解決のしやすさなどを設計し、サービス全体を通じて良質な体験を得られる状態を目指します。
UIはサービスの使いやすさを担い、一方でUXは価値の創出を担う点が役割における違いです。
5.目標・KPIの違い
UIとUXは目的が異なるため、成果を測る指標KPIも変わります。
まずUIの目標は、ユーザーが迷わずスムーズに操作できる状態を作ることです。
そのため、評価指標も使いやすさや操作効率を数値化できる具体的なものが中心です。
一方でUXは、ユーザーの課題を解決し、良い体験を提供することを目標としています。
評価対象は、サービスの利用前から利用後までの広い範囲を含みます。
個々の操作のしやすさだけでなく、サービス全体に対する印象や満足度がKPIとして該当する点が特徴です。
それぞれの主なKPIは、以下のとおりです。
| UIの目標・KPI | UXの目標・KPI |
|---|---|
|
・タスク完了率:ユーザーが目的の操作を最後まで完了できた割合 |
・顧客満足度:サービス全体に対する満足度 |
UIはどれだけ効率的に操作できるかを定量評価し、UXはどれだけユーザーに選ばれ、愛され、ビジネス成果につながるかを包括的に測ります。
つまり、UIが短期的な操作のしやすさの改善を目指す一方で、UXは長期的な価値提供と関係構築を目標とします。
6.改善手法の違い
UIの改善は、既存の画面や操作部分をより使いやすく、わかりやすくするための細かな調整が中心です。
配色バランスやボタンの配置などを改善し、ユーザーが迷わず操作できる状態を目指して部分的にブラッシュアップします。
A/Bテストやヒートマップ分析など、改善効果を数値で測りやすい点も特徴です。
一方、UXは画面単体ではなく、サービスの利用前・利用中・利用後におけるすべての体験が改善対象です。
アンケートの分析などを通じて体験全体の課題を洗い出し、サービス構造そのものを見直す包括的なアプローチが必要になる場合もあります。
それぞれを改善する際に活用される具体的な方法を、以下の表にまとめました。
| UIの改善手法 | UXの改善手法 |
|---|---|
|
・配色の最適化 |
・ペルソナの再定義 |
UI改善は、使いやすさを高めるための部分最適化を目的とするアプローチです。
対して、UX改善は体験価値そのものを高めるためにサービス全体を見直す全体最適化のアプローチといえます。
UIとUXの違い一覧表
上記で解説したUI/UXの6つの違いを以下の一覧表にまとめました。
| 比較項目 | UI | UX |
|---|---|---|
| 1.定義 | ユーザーが製品やサービスと直接触れる見た目や接触部分 | ユーザーが製品やサービスを利用するなかで得られる体験 |
| 2.関わる領域 | ビジュアルデザイナーやフロントエンドエンジニアが主 | マーケターやカスタマーサポート、営業、経営層まで幅広いステークホルダーと連携 |
| 3.デザイン対象 | レイアウトや配色など、ユーザーが見て触れる具体的なパーツ | 行動導線や情報設計など、サービス全体を通して得られる体験 |
| 4.目的・役割 | 迷わず使える状態を作ること | 使用して「良かった」と感じてもらうこと |
| 5.目標・KPI | クリック率や操作時間など、使いやすさや操作効率を数値化するKPI | 顧客満足度やLTV (顧客生涯価値)など、サービス全体に対する印象や満足度に関するKPI |
| 6.改善手法 | 配色調整やボタン位置の最適化など、操作画面の使いやすさを改善する手法 | ペルソナの再定義や情報設計の再構成など、体験全体の課題解決につながる方法 |
それぞれの違いを理解し、UI/UX施策の精度と成果を高めましょう。
UIとUXの違いから分かる関係性
サービスがユーザーにとって価値あるものになるためには、UIとUXが密に連携して機能する必要があります。
この関係性を理解することが、優れた製品・サービス作りに不可欠です。
以下では、サービスや製品の実現におけるそれぞれの関係性を紹介します。
優れたUXの実現に優れたUI設計が欠かせない
UXは、ユーザーに提供すべき価値や望ましい体験を定義し、サービス全体の方向性を決める、設計図の役割を果たします。
一方でUIは、定めた設計図をもとに、ユーザーが実際に触れる画面や操作へと落とし込む、実装の役割を担います。
それぞれの関係性をより身近に感じられるよう、音楽ストリーミングサービスを例にしてみましょう。
UXは、通勤中に気分に合った音楽を楽しめるといった感動や利便性を設計します。
この体験を支えるのがUIであり、見やすく整理されたプレイリストなど、快適に操作できる画面構成が該当します。
もし、再生ボタンの位置がわかりにくいなどユーザーが触れるUIが使いにくいと、優れたUX設計でも、ユーザーは快適に音楽を楽しめません。
UIが使いやすくないと、UXの価値がユーザーに届かないのです。
したがって、UIはUXを実現するための手段であり、UIが適切に設計されて初めて良いUXが成立します。
両者をセットで捉え、UXの意図をUIで正しく表現できると、ユーザーが迷わず使える体験価値の高いサービスが完成します。
UIとUXのバランスがサービスの評価を左右する
UIだけ良くても、UXが悪いとユーザーは離脱します。
逆に、優れたUX設計でも、UIが複雑でわかりにくいと、体験価値は十分に伝わりません。
どちらか一方に偏ると、ユーザーから高い評価を得るのは難しく、ビジネス成果にも結びつきません。
以下が、バランスが崩れた典型的な例です。
| UIは良いがUXが悪い例 | UXのポテンシャルはあるがUIが悪い例 |
|---|---|
|
見た目はおしゃれで先進的なECサイト |
AI(人工知能)を搭載した画期的な業務効率化ツール |
このように、UIとUXはどちらか片方だけ優れていれば良いわけではありません。
両者がバランス良く機能して初めて、ユーザーに価値が伝わり、長期的に利用されるサービスが実現します。
真に価値あるサービスを提供するためには、UXが示す課題解決の方向性と、それを最適な形でユーザーに届けるUIを一体として設計することが大切です。
UI/UXに共通する質向上のポイント
UIとUX、それぞれの質を高めていくためには、両者に共通するいくつかの重要な原則があります。
以下では、特に重要な4つのポイントを紹介します。
人間中心設計
UI/UXを考える際に重要なのが、作り手の主観ではなく、ユーザーの課題やニーズを起点に設計することです。
この根幹となる考え方が、人間中心設計のアプローチです。
人間中心設計では、以下の手法を用いてユーザー理解を深め、ニーズをサービスや製品に反映します。
-
ペルソナ:サービスを利用する典型的なユーザー像を設定し、ニーズや行動特性を明確化
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カスタマージャーニーマップ:ユーザーがサービスを認知・利用・価値を得るまでの行動や感情の流れを可視化
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ユーザビリティテスト:実際のユーザーに試作品を使用してもらい、使いにくさや課題を検証
これらの手法を通じてユーザーの実像を把握でき、本当に使われるデザインを実現できます。
明確なゴールの設定
UI/UXでは、まず製品・サービスで達成したいゴールを明確にすることが大切です。
ゴールを設定する際は、以下のようにビジネスの視点とユーザーの視点の両方を取り入れるのがポイントです。
| ビジネスのゴール例 | ユーザーのゴール例 |
|---|---|
|
・新規会員登録数を前月比で10%増加 |
・3分以内に目的の商品を見つけられるようにする |
ゴールが曖昧なままデザインを進めると、良いUI・UXの判断基準にブレが生じ、成果につながりにくいデザインになります。ゴールの定義は、UI/UXを感覚的な作業ではなく、再現性のあるプロセスへと変える重要な作業です。
定量・定性データの活用
優れたUI/UXは、デザイナーの感性や直感だけで生まれるものではありません。
ユーザーの行動や声を客観的に測定し、データに基づいて意思決定することで完成します。
UI/UXでは、以下2種類のデータの活用が重要です。
| 定量データ | 定性データ |
|---|---|
|
・アクセス解析 |
・ユーザーインタビュー |
定量データは、ユーザー行動を数値情報で捉え、起きている現象を把握する際に役立ちます。
例えば、購入率が低い場合や離脱率が高い場合など、どこで問題が起きているのかを知りたいときは定量データを活用しましょう。
一方、定性データは、ユーザーが取る行動の原因を深掘りするための手がかりとして有効です。
なぜ購入されないのか、どのような理由で途中離脱するのかといった、行動の理由や心理を探りたい場合は、定性データが参考になります。
状況に応じて定量・定性データを使い分けて分析すると、表面的な改善ではなく、問題の本質を捉えた的確な改善につながります。
継続的なPDCAサイクル
ユーザーのニーズや市場環境は常に変化するため、UI/UXは一度制作して終わりではありません。
リリース後も状況に応じて改善を繰り返し、サービスを進化させ続けるためにPDCAサイクルの実施が不可欠です。
UI/UX改善におけるPDCAは、以下のように進めます。
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Plan(計画):データやリサーチから課題を特定し、改善のための仮説を立案
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Do(実行):立てた仮説に基づき、デザインを修正して実装
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Check(評価):リリース後、設定したKPIの変化を分析し、施策の効果を検証
-
Action(改善):評価結果をもとに、次の改善方針や施策案を立案
PDCAサイクルを素早く回し続けることで、サービスは常にユーザーのニーズに適応し、価値の高い体験を提供し続けられます。
UI/UXの改善なら「TDCソフト」にお任せ
実際に自社で高度なUI/UX改善を行うには、専門的な知識と経験、リソースが必要です。
何から手をつけるべきかわからない場合や、社内に専門家がいない場合は、UI/UXのプロに相談するのもひとつの方法です。
TDCソフトは、60年以上の歴史を持つシステムインテグレーターとして、顧客のビジネス課題をUI/UXの力で解決する支援を提供しています。
以下では、当社の強みと主なUI/UX関連サービスを紹介します。
強み
TDCソフトのUXデザインにおける強みは、伴走支援・定着・一気通貫の3つを組み合わせた包括的なサポートです。
以下が、当社が誇る3つの強みです。
| 伴走支援 | 定着 | 一気通貫 |
|---|---|---|
| UXデザインの判断から実務活用まで当社の実績豊富なプロが寄り添い、デザイン初心者でも安心して取り組める支援 | 既存プロセスに無理なく組み込み、日常業務に自然と根付く運用を支援 | 企画から要件定義、デザイン、開発までをワンストップで提供し、ゆがみのない高品質なリリースを支援 |
3つの支援により、現場に過度な負担をかけることなく、改善を継続しやすい体制が構築できます。
単なるシステム開発支援にとどまらず、現場に寄り添いながらUXデザインを定着させる伴走型アプローチにより、多くの企業から選ばれています。
主なUI/UX関連サービス・製品
TDCソフトでは、UI/UXに取り組む企業を多角的かつ継続的に支援するために幅広いサービスを提供しています。
例えば、UXデザインサービスでは、以下のようなサービスを用意しています。
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新規サービス企画支援:新規サービス検討やプロダクト構想をサポートし、人間中心設計思考を踏まえた企画立案を支援
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既存サービス改善支援:既存プロダクトの課題を可視化し、ユーザー体験向上のための改善プランを策定
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デザイン内製化支援:デザイン組織の立ち上げや体制構築を支援し、企業が内部でデザインを回せる状態を実現
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UX/UIデザイン作業支援:実際のデザイン制作(画面設計、UI作成、プロトタイピングなど)を実務レベルで支援
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研修・ワークショップ:デザイナー・非デザイナー向けに、UX思考やデザインプロセスを習得するための研修を提供
当社では、顧客自身が継続的に改善を行えるよう、プロセスを仕組化し、自走できる体制構築まで支援が可能です。
TDCソフトのUI/UX支援事例
TDCソフトは、UXデザイン関連だけでも36件※の支援実績を有しています。
以下に、実際の支援事例の一部を紹介します。
※2025年12月時点
| 支援企業 | 主な課題・ニーズ | 改善施策 | 改善効果 | 事例紹介ページ |
|---|---|---|---|---|
| 溶断・溶接機器製造販売企業 | 企画経験者の不足により長期的なサービス企画を推進できず、新規ユーザー獲得と既存顧客の単価向上に課題 |
・新規サービス企画支援の提供:本業の溶接職人にヒアリングするなど、ユーザー調査の被験者確保の支援 |
企画立案と体験設計を自走できる体制構築 | |
| AEVIC | UXデザインの知識不足による既存アプリの改善が停滞 |
・ヒューリスティック評価による課題可視化:問題点を重要度付きで一覧化し、具体的な改善案と行動案まで提示 |
・既存アプリの改善 |
|
| ベネッセコーポレーション | 内製化とアジャイル開発推進のため、UI/UXの観点からサービス品質を高める必要性があった |
・業務要件を踏まえたUI/UX改善ポイント提示 |
・自社では気づけなかったUI/UXのボトルネック解消 |
TDCソフトのUI/UX支援は、組織の自走力やアプリ・サービスの価値向上を見据えた支援が特徴です。
UI/UXの違いを踏まえた実践的なアプローチにより、継続的なカイゼンと成果創出を支援しています。
まとめ:UIとUXの違いを理解し、ユーザーに最高の体験を届けよう
UIは、見た目や操作性を最適化するための手段、UXデザインはユーザーの課題を解決し、良い体験を生み出すためのデザインです。
両者をバランス良く設計してこそ、ユーザーにとって満足度の高いサービスが実現します。
UI/UXの導入や改善、仕組み作りに興味がある方は、TDCソフトまでお気軽にご相談ください。