APIとは?種類やAPI連携の仕組みと企業が管理する際のポイントを解説

クラウドサービスや業務システムが増える今、「APIとは何か」を正しく理解することは、企業の効率的なデータ活用に欠かせません。APIはアプリ同士をつなぐ“橋渡し役”であり、API連携を活用することで情報の自動化や業務効率化が大きく進みます。一方で、APIが増えるほど運用や管理は複雑になり、セキュリティや構成の見直しが必要になるケースも少なくありません。

本記事では、APIの種類や提供方式の違い、連携の仕組み、そして企業が取り組むべきAPI管理のポイントまで、実務で役立つ形で分かりやすく解説します。

APIとは?APIの基本概念と役割

APIはシステム同士がデータを受け渡すための共通ルールです。この章ではAPIの意味や仕組み、現代の業務で重要性が高まる背景を整理します。

API(Application Programming Interface)とは、アプリケーション同士が決められた形式でデータや機能をやり取りする仕組みです。異なるサービス間でもAPIという“共通言語”を介すことで安全かつ効率的に連携できます。

SaaSの普及、マイクロサービス化、リアルタイムな意思決定のニーズ拡大により、APIは業務自動化とデータ活用の中心的役割を担っています。例えば、CRMで登録した顧客情報を会計システムへ自動で同期すれば二重入力を減らし、最新データに基づく請求・集計が可能になります。

APIの種類と提供方式

APIには技術的な種類と、公開範囲によって分類される提供方式があります。この章ではそれらをまとめて整理します。

種類 特徴
一般的なAPIの分類 REST / SOAP / GraphQL Web・SaaS連携で最も使われる方式
技術的なAPIの分類 Web API / ライブラリAPI / ランタイムAPI / DB API 動作層・用途での分類。内部実装理解に有用
APIの提供方式 パブリック / パートナー / プライベート など 利用者範囲や開放レベルによる分類

一般的によく使われるAPIの種類(REST API / SOAP API / GraphQL API)

一般的に最も利用されるAPIは「REST API」「SOAP API」、そして新しい方式である「GraphQL API」です。

REST API SOAP API GraphQL API
主な特徴 HTTPベースの軽量な設計 XMLベースの厳格なルールがある 必要なデータだけ取得できる
メリット シンプル、実装しやすい、拡張性が高い 高い信頼性、セキュリティ、トランザクション性 高効率、1クエリで複数取得
注意点 仕様の統一性はやや弱い 重い・開発負荷が高い 設計の難易度がやや高い
活用シーン SaaS連携、Webサービス全般 金融、公共、基幹システム 複雑UI、モバイルアプリ

REST APIは軽量で柔軟性が高く、WebサービスやSaaSの標準的な連携方式として広く採用されています。一方でSOAPは厳密なルールと高いセキュリティ性が特徴で、金融や大規模基幹システムなど信頼性が求められる場面で今も活用されています。GraphQLは必要なデータだけを取得できる効率の良さが魅力で、柔軟なデータ取得が求められるアプリ開発で人気が高まっています。

これら3つを理解することで、ビジネスの現場で使われるAPIの大部分を押さえることができます。

技術的なAPIの種類(Web API / ライブラリAPI / ランタイムAPI / DB API)

技術的なAPI分類はシステム内部の役割を理解するために役立ちます。

Web API ライブラリ API ランタイム API DB API
主な特徴 インターネット経由で呼び出し 言語・フレームワークの関数を提供 OS/VMが提供する処理系API DBとアプリを接続
メリット 外部サービスとの連携が容易 実装効率UP・再利用性 低レイヤ操作が可能 クエリ発行、データ取得が容易
注意点 認証や通信制御の設計が必須 バージョン依存・環境差異 誤実装時の影響が大きい SQL/スキーマ理解が前提
活用シーン SaaS連携、外部サービス統合 アプリ内部処理全般 メモリ/プロセス管理 基幹DB・分析基盤

Web APIはインターネット経由で外部と通信するためのAPIで、RESTやSOAPのような一般的な方式を含みます。

ライブラリAPIはプログラミング言語ごとの関数やクラスを呼び出すためのAPIで、アプリケーション内部の実装効率を高める役割があります。ランタイムAPIはOSや仮想マシン(例:Java VM)が提供する処理系にアクセスするAPIで、メモリ管理やプロセス制御といったシステムレベルの操作に関わります。

さらにDB APIはデータベースとアプリケーションをつなぎ、SQL発行やデータ取得のために使われます。用途によって目的が明確に異なるため、知識として押さえておくと理解が深まります。

APIの提供方式

APIは公開範囲によって大きく3つに分類できます。

パブリックAPI(オープン) パートナーAPI プライベートAPI(内部)
想定利用者 不特定の開発者 提携企業 社内のみ
メリット 連携拡大・エコシステム 安全性と柔軟性の両立 セキュリティ・統制
留意点 利用制限・レート管理が必須 契約・審査・サポート体制 契約・審査・サポート体制

パブリックAPIは不特定多数に公開され、地図・決済・SNSなどの連携拡大に有効です。

パートナーAPIは提携先へ限定公開し、ビジネス要件に合わせた安全な統合を実現します。プライベートAPIは社内のみで利用し、システム間の統合・ガバナンス・変更管理を統制しやすくします。

提供方式はセキュリティ、開発者体験、スケール戦略に直結するため、設計初期から方針を定めることが重要です。

API連携とは?仕組みと基本の考え方

ここではAPI連携の仕組みをわかりやすく説明します。

API連携とは、複数のアプリケーションがAPIを通じてデータをやり取りし、自動的に処理をつなぐ仕組みです。たとえば、CRMで作成した顧客データを会計システムに自動登録したり、問い合わせが入るとチャットへ自動通知したりと、イベントドリブンでも定期同期でも運用可能です。

統合の基本は「認証」「データ形式」「エラーハンドリング」を揃えることにあります。

API連携のメリット

二重入力の削減による作業時間短縮、データ整合性の向上、リアルタイムな可視化が大きな利点です。連携で業務プロセスが自動化されると、属人化を抑え、ヒューマンエラーを減らせます。

さらに、最新データに基づく集計・分析が可能になり、意思決定のスピードと品質が上がります。定常オペレーションを省力化し、付加価値の高い業務へ人員をシフトできます。

API連携のデメリット

エンドポイントや認証情報の乱立、依存関係の増大により、構成が“スパゲティ化”しやすい点は注意です。各システムのAPI仕様差異やレート制限、スキーマ変更への追従も運用負荷となります。

監視やリトライ、フォールバックの設計が不十分だと障害時の影響範囲が広がります。統合基盤やポリシーでの一元管理、標準化とドキュメンテーションが解決の鍵です。

API連携の方法と手順

最短で失敗しないために、要件から検証までの標準的な進め方を示します。小さく作り、早く試し、段階的に拡張するのがコツです。

  • 要件整理:対象業務、データ項目、処理トリガー、SLA/セキュリティを定義
  • API確認:エンドポイント、認証方式(APIキー/OAuth)、レート制限、エラーモデルを把握
  • マッピング設計:項目対応、変換ルール、ID管理(主キー/外部ID)を決定
  • 実装とテスト:疎通・例外・負荷・リトライ・タイムアウト・監視を検証
  • 運用設計:バージョン管理、変更管理、監視とアラート、ログ・監査の方針を確立
  • 企業でよく使われるAPI連携の例

    業種・規模を問わず、多くの企業で価値を発揮する代表例を二つに絞って紹介します。どちらも効果が測りやすく、段階導入にも向きます。

    1. CRMとバックオフィス(請求・会計)のAPI連携

    商談・請求・入金の一連の流れをAPIでつなぎ、売上確定から会計記帳までを自動化します。顧客・商品・金額・税率・締めなどの項目をマッピングし、取引確定をトリガーに仕訳データを生成する運用が一般的です。

    重複入力や転記ミスを防ぎ、月次締めを短縮できます。与信や回収状況の可視化も進み、経営ダッシュボードの鮮度が上がります。

    2. 認証(ログイン)と会員データベースのAPI連携

    ID基盤や外部認証(Google/LINE/OAuth)と会員DBをAPIで同期し、シングルサインオンを実現します。登録・更新・退会のイベントに応じて属性を標準化し、サービス横断で最新のユーザー状態を維持します。

    パスワードレスや多要素認証と組み合わせれば、利便性とセキュリティを両立。会員型サービスの基盤として必須の連携です。

    API管理が企業にもたらす価値

    APIが増えるほど、認証・ポリシー・変更管理・監視を一元化しない限り運用負荷は逓増します。ここでは管理の要点と効果をまとめます。

    API管理では、認証・認可の統一、レート制限やスロットリングによる保護、スキーマやバージョンのライフサイクル管理、メトリクス・ログの可観測性が柱になります。これによりセキュリティインシデントの抑止、障害時の影響局所化、開発者体験の均質化、監査対応の効率化が実現します。

    結果として、統合スピードは上がり、変更に強い“持続可能な連携”へ移行できます。

    BoomiによるAPI管理

    API管理は「作るだけ」ではなく、公開・保護・監視・統制まで一貫で扱うことが重要です。BoomiはiPaaSとAPI管理を単一のプラットフォームで提供し、システム統合の複雑さを大幅に軽減します。

    BoomiでAPI管理する3つのメリット

    API連携・データフローを一元で扱えるiPaaS

    Boomiの最大の強みは、API管理とデータ連携(iPaaS)が「別製品ではなく同一プラットフォーム」で提供されていることです。

    APIとして公開するロジックとバックエンドのデータ加工・同期・変換フローを一つの画面で管理でき、構築・運用の属人化を防げます。変更影響が可視化され、API拡張やシステム追加にも柔軟に対応可能。スパゲティ化しやすいAPI構造を“統合視点”で整理できる点は、多くの企業で評価されているポイントです。

    APIゲートウェイによるAPI公開とセキュリティ強化

    BoomiのAPIゲートウェイは、API公開時の認証・認可・ポリシー適用を一括で管理できます。OAuth 2.0・APIキー・JWTなど各種認証方式をサポートし、通信暗号化(TLS)やレート制限、IP制御などのセキュリティ対策をまとめて適用可能です。

    APIごとにガバナンスルール(バージョン管理、アクセス権限、スロットリング)を設定できるため、社内外への安全な公開とリスクコントロールが両立します。利用者数・負荷・使用傾向に応じて柔軟に制御できる点は、企業規模を問わず大きなメリットです。

    モニタリングと可観測性

    BoomiはAPIの呼び出し状況、成功/失敗率、レスポンスタイムなどをリアルタイムに可視化します。異常検知や閾値アラートにも対応し、障害の早期発見と原因特定がスムーズに行えます。履歴ログやメトリクスはレポーティングにも活用でき、利用量に基づいた容量計画、パフォーマンス改善、ボトルネック解消など、継続的な品質改善を実現します。

    可観測性を高めることで、API運用の透明性が向上し、セキュリティ監査にも強くなります。

    APIを駆使して企業活動を最大化する

    APIは“便利な連携の道具”にとどまらず、データ活用と業務自動化を加速する企業基盤です。種類と提供方式、連携手順、管理の勘所を押さえることで、運用はシンプルに、価値創出はスピーディになります。

    特にAPI管理はセキュリティと可用性の要であり、統合の継続的改善に直結します。要件に応じてBoomiのような統合プラットフォームを活用すれば、設計から運用までの一貫性が高まり、将来の拡張にも強いアーキテクチャを築けます。

    FAQ(APIに関するよくある質問)

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