UI要素とは?種類の一覧やPADを利用した編集方法などを解説
UI(ユーザーインターフェース)とは、システムやアプリケーションの使いやすさを大きく左右するものです。
ボタン・メニュー・アイコンなど、ユーザーが触れるUI要素は、見た目の美しさだけでなく、直感的な操作性やユーザー体験全体を向上させるための重要な役割を担っています。
一方で、UI要素は種類が多く、それぞれ効果や利用される場面が違います。
そのため、快適に利用できるシステムやアプリケーションを構築する際は、さまざまなUI要素を理解することが欠かせません。
本記事では、UI要素の基礎知識や代表的な種類などについて解説します。
また、UI要素を追加する際でありがちなエラーや、その対策についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
UI要素とは
UI要素とは、システムやアプリケーションの画面を構成する機能やデザインを指す用語です。
例えば、クリックするボタン・文字を入力するテキストボックス・ほかのページへ移動するためのリンクなどは、すべてUI要素にあたります。
RPAや自動化ツールで画面操作を行う際には、「どの部品を操作するのか」を正確に指定する必要があります。
その操作対象を識別するための目印がUI要素であり、これを正しく認識できることが、安定した自動化の実現につながります。
PAD(Power Automate for Desktop)でも、UI要素の認識は重要なポイントの一つです。
ナビゲーション・メニュー系のUI要素一覧
ナビゲーションやメニューに関連するUI要素は、ユーザーがシステム・アプリケーション内をスムーズに移動し、目的の情報にたどり着くために不可欠なものです。
これらの要素をRPAで操作することで、ページの移動やメニューの選択といった動作を自動化できます。
ナビゲーション・メニュー系のUI要素に該当するものは以下のとおりです。
【ヘッダー】
ページの上部に固定で表示される領域。ロゴや主要メニューが含まれる。常に表示されているため、フローの起点として利用しやすい。
【フッター】
ページの下部に表示される領域。会社概要やプライバシーポリシーへのリンクが含まれる。サイトマップやお問い合わせページへ移動する操作に用いられる。
【ナビゲーションバー】
主要なページへのリンクをまとめた帯状のメニュー。通常はヘッダー内に配置される。「製品情報」や「サービス一覧」などの特定カテゴリへ移動する操作で用いられる。
【パンくずリスト】
ユーザーがサイト内の現在地を階層構造で示すリスト。「ホーム > カテゴリ > 現在のページ」のように表示される。現在のページの階層情報を取得するうえで重要。
【タブ】
複数のコンテンツを切り替えて表示するためのUI。クリックすることで表示内容が変わる。「新着情報」と「人気ランキング」など、タブを切り替えて情報を収集する操作に用いる。
【ページネーション】
多数のコンテンツを複数ページに分割して表示するUI。「1, 2, 3, …次へ」といったリンクで構成される。検索結果一覧や商品リストの次ページへ移動し、全件データを取得する操作に用いる。
【ハンバーガーメニュー】
三本線でデザインされるメニュー。引き出しのように表示されることから「ドロワーメニュー」とも呼ばれる。複数のメニューやカテゴリーなどの下位の階層ページに遷移したり、確認したりするうえで役立つ。
【メガメニュー(メガドロップダウン)】
バナーのように表示し、ホバーによって下位の階層ページのリンクを表示できる。スペースを大きく利用するので可視性が高い。
【プルダウンメニュー】
マウスオーバーやクリックによって表示されるUI。主に下位の階層・サブ的要素のメニューの表示に用いられる。ドロップダウンメニューとも呼ばれる。
【スプリングボード】
トップページなどに下位の主要な階層リンクのアイコンを並べたUI。主要導線を明示できる。
ポップアップ系のUI要素一覧
ポップアップ系のUI要素は、ユーザーの操作を一時的に中断させ、重要な情報や確認事項を提示するために使用されます。
Web操作を自動化する際には、予期せぬポップアップの出現に対応できるフロー設計が求められます。
代表的なUI要素は以下のとおりです。
【モーダルウィンドウ】
背後のコンテンツ操作を一時的にブロックし、特定のタスク(ログイン、情報入力など)に集中させるウィンドウ。ログインフォームの入力・送信や、ポップアップ内の「OK」「閉じる」ボタンのクリックなどに利用される。
【ダイアログボックス】
ユーザーに確認を求めたり、選択肢を提示したりする小さなウィンドウ。「はい/いいえ」や「OK/キャンセル」ボタンを持つことが多い。確認ダイアログなどで利用されるUI。
【ライトボックス】
画像をクリックした際に、画面を暗くして画像を拡大表示するUI。画像ギャラリー内の画像をクリックし、拡大画像を取得する操作などで用いられる。
【アラート】
ブラウザなどのデフォルト機能であるUI。クリック時の注意喚起などで用いられる。
【ツールチップ・ポップアップ表示】
マウスオーバーなどの操作で表示されるUI。より詳細な情報や補足説明などで利用される。
表示・非表示系のUI要素一覧
表示・非表示を切り替えるUI要素は、限られた画面スペースを有効活用し、情報を整理して見せるために役立ちます。
このタイプのUI要素は、通常は隠れている情報を表示させてからデータを取得する、といった場面で利用されるものです。
代表的なUI要素は以下のとおりです。
【アコーディオン】
クリックすることでコンテンツの詳細が表示されたり、折りたたまれたりするUI。FAQページでよく利用される。「もっと見る」やナビゲーションでリンク先の内容を表示するタイプもアコーディオンとして扱われることが多い。
【カルーセル】
下部や横にインジケーターがついたUI。コンテンツギャラリーとして利用される。自動送りになっているタイプも多い。
通知系のUI要素一覧
通知系のUI要素は、ユーザーの操作結果や状況をフィードバックする役割を担います。
操作の状況を確認する際や、エラー発生時の状況判断に利用できます。
代表的なUI要素は以下のとおりです。
【ステップバー】
ユーザーが特定の行動を実施している際に、プロセスの進行状況を提示するバー。複数ページにまたがる際に現在の状況を確認できる。
【プログレスバー】
時間のかかる処理の進捗状況を視覚的に示すバー。ファイルのアップロードやダウンロード時に表示される。
レイアウト系のUI要素一覧
レイアウト系のUI要素は、Webページの骨格を形成し、ほかのUI要素をまとめる役割を果たします。
個別の要素がうまく取得できない場合でも、これらのコンテナ要素を基準にすることで、相対的な位置関係から目的の要素を特定できます。
代表的なUI要素は以下のとおりです。
【コンテナ】
関連する複数のUI要素をグループ化するための汎用的な領域。特定の製品情報をまとめたカード型のコンテナ全体を取得し、その中から製品名や価格を個別に抽出する操作をするうえで便利。
【カード】
画像・タイトル・説明文などを一つの単位としてまとめた矩形のUI。ブログの一覧ページなどで使用される。複数のカードをループ処理し、各カードから情報を取得する操作ができる。
フォーム系のUI要素一覧
フォーム系のUI要素は、ユーザーからの情報入力を受け付けるために不可欠なものです。
データ入力や選択操作の自動化を促すものが多くあります。
代表的なUI要素は以下のとおりです。
【テキストボックス】
一行のテキストを入力するためのフィールド。ユーザーIDや検索キーワードなどの入力に用いる。
【テキストエリア】
複数行のテキストを入力するためのフィールド。お問い合わせ内容や備考欄に長文を入力するために利用する。
【チェックボックス】
複数の選択肢から任意個の項目を選択できるUI。アンケートなどで「興味のある分野」を複数選択する操作に用いる。
【ラジオボタン】
複数の選択肢から一つだけを選択できるUI。性別やアンケートの回答(はい/いいえ)を選択する操作などに利用できる。
【ボタン】
クリックすることで特定のアクション(送信・保存・キャンセルなど)を実行するUI。フォーム入力後に「送信」ボタンをクリックする操作に用いる。
【プレースホルダー】
検索画面のテキストボックスなどに薄く記載される文言や指示。特定の操作を実行する際のヒントを与えるうえで有用。
PADを使ったUI要素の編集方法
本章ではPADを利用したUI要素の編集方法について解説します。
実際にUI要素を編集する際の参考にしてください。
PADとは
PAD(Power Automate for Desktop)は、Microsoftが提供する代表的なRPAツールです。
画面上のボタンや入力欄などのUI要素を認識しながら、パソコン上のさまざまな定型業務を自動化できます。
プログラミングの専門知識がなくても、マウス操作やキーボード入力を記録する機能や、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できる豊富なアクションライブラリが用意されています。
これらを組み合わせることで、複雑な処理も簡単に実行できるのがPADの魅力です。
特に、Webブラウザーやデスクトップアプリとの連携に強みを持っており、これらのアプリケーション上でのデータ入力・データ抽出・レポート作成といった作業を効率化できます。
PADは、業務効率化や人的ミスの削減に貢献し、従業員がより創造的な業務に集中できる環境を実現するうえで不可欠なツールです。
PADによるUI要素の編集手順
PADでUI要素を扱う基本的な流れは、「追加」と「編集」です。
操作したいボタンやテキストボックスをUI要素としてPADに登録し、必要に応じてその情報を編集することで、より正確に要素を特定できるように調整します。
それぞれの作業の手順は以下のとおりです。
【UI要素ピッカーで追加する】
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PADのフロー編集画面で、右側にある「UI要素」ペインを開きます。
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「UI要素の追加」ボタンをクリックすると、「UI要素ピッカー」が起動します。
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マウスカーソルを操作対象のシステムやアプリケーション上に移動させると、UI要素が赤い枠でハイライトされます。
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目的の要素がハイライトされた状態で Ctrl キーを押しながら左クリックすると、その要素がUI要素としてPADに登録されます。
【セレクターを編集する】
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登録したUI要素は、「セレクター」と呼ばれる情報を持っています。
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セレクターは、そのUI要素が画面上のどこにあるのかを示す「住所」のようなものです。
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UI要素ペインで編集したい要素を右クリックし、「編集」を選択するとセレクターの編集画面が開きます。
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ここで、より安定的で壊れにくいセレクターに調整することで、インターフェースのデザインが少し変わってもフローが止まりにくくなります。
UI要素取得時にありがちなエラーと対策
RPAフローの開発でもっとも頻繁に発生するのがUI要素の取得に関するエラーです。
本章では、以下のような代表的なエラーについて解説します。
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セレクターの動的変化
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UI要素の読み込み待ち不足
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UI要素の無効化
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解像度やスケーリングの不一致
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アプリケーション同士のUI要素が合致しない
それぞれのエラーの原因に加え、対策についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
セレクターの動的変化
インターフェースによっては、アクセスするたびにIDなどの一部が動的に変わることがあります。
セキュリティ対策やA/Bテストなどの目的で意図的に行われている場合があるためです。
UI要素を特定する際に、固定されたIDやセレクターに依存していると、要素が見つからずエラーが発生します。
このようなエラーが発生した際は、セレクター編集画面で、動的に変わる部分の値をアスタリスクなどのワイルドカードに置き換えましょう。
また、演算子を「次と等しい」から「次を含む」や「次で始まる」に変更し、変化しない部分だけで特定できるようにします。
これにより、動的な変化に対応し、安定したUI要素の特定が可能です。
UI要素の読み込み待ち不足
Webページの表示は、HTMLの読み込みだけでなく、JavaScriptの実行や画像のダウンロードなど、さまざまな処理が並行して行われます。
これらの処理完了を待たずに次の操作に進もうとすると、必要なUI要素がまだ読み込まれていないために要素が見つからずエラーが発生します。
対策としては、「Webページのコンテンツが表示されるまで待機します」や「UI要素の状態を待つ」といった待機系のアクションを、操作の直前に入れる方法が最適です。
固定で数秒間待機する「Wait」アクションも有効ですが、状況によって処理時間が変わるため、特定の要素が表示されるまで待つ方が確実です。
要素が表示されるまで待機することで、常に安定した状態で操作できます。
UI要素の無効化
Webページ上のボタンや入力フィールドは、特定の条件を満たしていない場合だと、操作できない状態(グレーアウト)になっていることがあります。
当然、操作可能な状態ではないUI要素に対して操作を試みると、エラーが発生します。
このようなエラーは必須項目が入力されていない場合や、処理が完了するまでボタンが一時的に無効になっている場合などに発生しやすいのが特徴です。
対策としては、「UI要素の属性を取得します」アクションを使い、操作可能かどうかを示す属性の値を確認します。
さらに条件分岐アクションと組み合わせ、要素が操作可能になるまで待機するループ処理を実装しましょう。
これにより、UI要素が操作可能な状態になるまで待機し、エラーを回避できます。
解像度やスケーリングの不一致
画像認識でUI要素を指定している場合、開発環境と実行環境で画面の解像度やスケーリング設定が異なると、正しいUI要素を認識されなくなることがあります。
画像認識がピクセル単位で要素を特定するため、画面設定の違いが大きな影響を与えるためです。
例えば、開発環境では100%のスケーリングで開発していたが、実行環境では125%のスケーリングになっている場合などに発生します。
画像認識ではなく、できる限りセレクターベースでのUI要素指定を基本とすることが有効な対策です。
セレクターで特定できない場合に限り、画像認識を補助的に利用しましょう。
セレクターは、要素の属性や構造に基づいて要素を特定するため、画面設定の違いに影響されにくい点がメリットです。
画像認識を使用する場合でも、実行環境に合わせて画像認識のモデルを調整する必要があります。
アプリケーション同士のUI要素が合致しない
Webブラウザーとデスクトップアプリなど、複数のウィンドウをまたいで操作する際に、誤ったウィンドウのUI要素が操作されてしまうことがあります。
Webブラウザーで表示された情報をデスクトップアプリに転記するようなシナリオで、誤って別のWebページのUI要素を操作してしまった場合などに発生しやすいエラーです。
エラーを防ぐ際は、操作対象のアクションごとに、正しい親ウィンドウ(Webブラウザーのインスタンスやウィンドウのタイトル)が指定されているかを確認しましょう。
各アクションが正しいウィンドウのコンテキストで実行されるようにすることで、意図しないUI要素の操作を防ぎ、エラーを回避できます。
ウィンドウのタイトルは、動的に変化する場合があるため、ワイルドカードを使用するなど、柔軟に対応できるようにする必要があります。
まとめ:UI要素を理解して最適なシステムを実現しよう
UI要素を正しく理解することは、ユーザーが利用しやすいシステムやアプリケーションを実現するうえで重要です。
自社の提供したいサービスや顧客体験を意識しつつ、最適なUI要素を選択しましょう。
また、PADを利用する際は、エラーを回避するためにもエラーの原因や対策を理解することは不可欠です。
セレクターを適切に利用し、快適なUIを目指しましょう。
なお、自社だけでUI要素を活用したアプリケーションやシステムの設計が難しい場合は、TDCソフトにお任せください。
TDCソフトはUIのフロントエンド開発やUI/UXデザインなどを行っており、多くの企業をサポートしてきた実績があります。
金融システムなど、専門性が高いシステム開発にも対応できるので、ぜひご相談ください。