ServiceNow コラム

【イベント】「 AI Market Conference 2026」ServiceNow|TDC共同登壇 レポート

公開日
2026年2月18日

AIと現場DXをどうつなぎ、どう定着させるか。本カンファレンスは、この問いに実装と運用の視点から向き合う一日でした。TDCソフトはServiceNow Japanとともに、従来の記録中心のCRMを、AIと標準ワークフローで実行するCRMへと進化させる設計思想を紹介。
本稿では、イベント全体像と共同登壇の内容、Meetupで見えた企業の本音、そして当日Q&Aで寄せられた実務的な疑問への示唆を、現場目線でお届けします。

AI Market Conference 2026 の全体像

開催形式と特徴

オンラインでの連続セッションと、同日夜のオフラインMeetupで構成され、知見の獲得とネットワーキングを一体化。最新技術の紹介にとどまらず、導入から定着までの道筋にフォーカスしていた点が印象的でした。

プログラムの意図

戦略、データ、ガバナンス、現場実装までの全体像を俯瞰しながら、現場のKPIにどう反映していくかを各セッションが具体的に扱う設計。TDCとServiceNowの共同登壇も、この流れの中でCRMを中核にAIと業務を一体設計する視点を担いました。

共同登壇の位置づけ

顧客情報の保管庫としてのCRMから、成果を生む実行基盤としてのCRMへ。AI、データ、ワークフローをひとつの土台でつなぎ、部門横断で業務を前に進める設計思想を提示しました。

当社のオンライン共同登壇セッション内容の概要

従来のCRMから、実行するCRMへ

従来のCRMは記録と可視化に強みがある一方、実行フェーズで分断が生まれがちでした。私たちは、問い合わせの一次解決、担当者の意思決定支援、受注から履行までの連携を、AIと標準ワークフローで一気通貫に設計するアプローチを提案。CRMを業務の司令塔に据えることで、現場の滞留を減らし、結果の出る動線を作ります。

次世代CRMの全体像

見積から受注、フルフィルメント、問い合わせ対応、現地作業まで、顧客体験の川上から川下をひとつのプラットフォームで動かす前提をお示ししました。個別ツールの寄せ集めではなく、プロセス全体をひと筆書きで設計することで、ボトルネックの転移を防ぎ、KPIが素直に改善する土台を整えます。

AIエージェントで変わる顧客対応

セルフサービスの自然文検索や仮想エージェント、担当者ワークスペースでの次アクション提示、フィールド作業のスケジューリング最適化など、AIエージェントを仮想ワーカーとして配置。AHT短縮、FCR向上、CSAT改善といった成果指標に直結させます。
効果を出すには基データと用語の標準化が鍵であり、よく検索される上位テーマから順に整備し、同義語辞書と用語統制表を運用に組み込み、ログを基に継続改善することが現実解です。

運用で差がつく理由

短期要件を理由に過度なカスタマイズへ傾くと、保守やアップグレード時の負荷が恒常化します。標準機能を軸にコンフィグで解く原則を守ることが、定着率と運用コストを左右します。線引きの明文化、設計審査のゲート、権限とデータのルール作りを初期から仕込むことが成功の近道です。
システムを入れても業務が変わらないという悩みに対しては、役割とルールの見直しを先に行い、標準プレイブックで迷いどころを潰してから画面に落とし込む順序が有効です。

TDCの現場起点アプローチ

現場の本音を掘り起こすUXD、業務要件をプラットフォームに翻訳する設計力、導入後の運用と改善、ガバナンスの伴走までをワンストップで提供します。作る前の棚卸しと、作った後の回し方。この両輪が揃って初めて、AIとCRMは使われる状態に定着します。

オフラインMeetupで見えた現場DXの本音

共通の、最初のつまずき

AIやCRMを導入しようとしても、最初に問題になるのは「技術」ではなく、部門ごとに用語や業務の前提が揃っていないことでした。
問い合わせなのか、インシデントなのか、依頼なのか。顧客情報の粒度も部門ごとに異なり、プロセスの全体像も共通で持てていない。そのため、AIをどこに適用するべきか、何を優先すべきかの議論が進まないという声をMeetupにて多く伺いました。
AI導入の第一歩は、現場で使われている言葉や業務の見取り図を揃え、共通の前提を整えることだという点で、多くの参加者の認識が一致していたようです。

PoC後の壁を越える

PoCが動いても、運用ルール、責任分解、改善サイクル、権限とデータの扱いが曖昧だと現場に根付きません。小さく始め、利用ログから次の改善を決めるスモールスタートと継続改善のリズム設計が鍵です。

問い合わせ自動化とCRM再設計の相談傾向

セルフサービスの立ち上げ、CSMと基幹やFSMまでの一気通貫、AIエージェントの適用範囲の見極め。相談は段取りと優先順位付けに集中しました。負荷の大きい一点から効果を出し、その勝ち筋を横展開する進め方が現実的です。

2026年の優先度

効率化に加え、現場負荷の可視化と体験改善を同時に進める姿勢が主流です。KPIを早期に明文化し、運用データで仮説検証を回せる体制が、投資回収の精度を高めます。

登壇直後のQ&Aでいただいた主な質問と示唆

エージェントが回答するための基データと用語標準化のポイントは?

ご質問の通り、デモ動画のような精度の高い回答を実現するためには、ナレッジFAQの整備が不可欠です。
例えば「パソコン」と「PC」のように、同一概念に対する複数の表現を整理・統一することで、回答の解決率向上およびAI回答品質の向上が期待できます。
こうしたナレッジ整備のノウハウについては、ServiceNow社・TDC社で十分に蓄積しておりますので、共同で構築を進めながらご支援・共有させていただくことが可能です。

システムを入れても業務が変わらない。どうプロセスを変えるべきか?

ご懸念の点は、本質的な課題認識であり、私どもも強く共感しております。
AIやシステム導入はあくまで手段であり、目的は業務価値の最大化です。しかし実際には、システム導入そのものが目的化してしまうケースも少なくありません。
重要なのは、ユーザーエクスペリエンスを起点とした全体設計です。業務、その背後にある人材・プロセスまで含めて再設計し、その上で最適なテクノロジーを組み込むことで、初めてAI活用の真価が発揮されます。

まとめ

AIとCRMの関係は、情報を記録する関係から、成果を生む実行基盤へと移行しています。成果に直結する打ち手は、AIエージェントと標準ワークフローを組み合わせ、部門横断で顧客体験の全体を設計すること。
一方で、成否を分けるのは運用です。Fit to Standardを軸に、用語とデータの標準化、設計審査のゲート、KPIに基づく継続改善を回し続けることが、定着率と投資対効果を大きく左右します。
TDCソフトは、現場の本音を掘り起こすUXD、業務設計と翻訳、運用と改善、ガバナンスまで一貫して伴走します。まずはセルフサービスや問い合わせ自動化など、効果が出やすい一点からご一緒しましょう。

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