ServiceNowでリスクマネジメント強化。IRM(統合リスク管理)と SecOps(セキュリティオペレーション)を徹底解説
- 公開日
- 2024年8月28日
- 更新日
- 2026年2月26日
この記事の内容
企業を取り巻くリスクは年々複雑化し、情報漏えい、法令違反、サイバー攻撃といった脅威は常に拡大しています。こうした状況において重要なのが、脅威の検知から対応までを統合する統合リスク管理と、セキュリティオペレーションです。
ServiceNowのIRM(Integrated Risk Management)とSecOps(Security Operations)はこれらを単一基盤で実現し、リスクマネジメントとセキュリティオペレーションを一貫して強化できます。本記事では、統合リスク管理(IRM:Integrated Risk Management)とセキュリティオペレーション(SecOps:Security Operations)の概念を整理し、ServiceNowでの主要機能と導入メリットを、現場と経営の双方の観点からわかりやすく解説します。
企業にリスクマネジメントとセキュリティオペレーションが必要な理由
変化の速いビジネス環境では、リスクの発見から評価・対応までを素早く回す体制が欠かせません。一方、クラウドやSaaSの増加、業務の分業化により攻撃対象と管理ポイントは増え、セキュリティ運用は脆弱性対応やインシデント管理が分散しがちで、可視化や連携に難があります。
両者を統合的に扱うことで、継続的な事業運営とスピーディな判断が可能になります。
増え続けるリスクと攻撃対象領域
クラウド利用の拡大、サプライチェーン連携、生成AIの普及などにより、攻撃対象領域は拡大し続けています。インシデントの発生源はITだけにとどまらず、法規制や業務プロセス上の不備など「非IT」領域にも及びます。
結果として、従来の縦割り管理では全体像が見えづらく、対策の漏れや遅れが生じます。組織横断の可視化と、発見〜評価〜対応を一気通貫で回す設計が求められます。
企業が抱える共通課題
リスクの特定・評価が属人的:部門ごとに判断基準が違い、影響度や優先度の比較が困難になりがちです。
運用の分断と対応遅延:脆弱性情報やインシデント記録が散在し、連携不足で初動が遅れます。
可視化不足:全社のリスク状況が俯瞰できず、経営判断に必要な情報が整いません。
共通データモデルと標準ワークフローを整備することが、これらの課題解消につながります。
IRM(Integrated Risk Management):統合リスク管理とは?
IRM(Integrated Risk Management:統合リスク管理)とは、コンプライアンス、事業継続、情報セキュリティなど多様なリスクを横断的に可視化・管理する枠組みです。
ServiceNowのIRMでは、リスク情報の一元管理、評価の自動化、対応プロセスの統合により、全社で統一された指標とワークフローを実現します。
IRM(Integrated Risk Management:統合リスク管理)の概要
IRMは、企業に存在する個別リスクを一覧化し、影響度・発生可能性など共通の尺度で評価、優先度を定めて対策するための考え方です。組織やプロセスの壁を越えて、リスクの「見える化」と「意思決定への反映」を両立させます。
ServiceNow上では、ポリシー・規程、評価項目、対応計画を共通データモデルで扱い、監査やレポーティングまで一貫した運用が可能になります。
ServiceNow IRMの主要機能
リスク情報の集中管理:部門横断でリスク台帳を統一して集中管理することで、リアルタイムに状況を把握します。
リスク評価の自動化:標準テンプレートとAI/機械学習を活用した自動化ルールで効率化することで、スコアの一貫性を保ちながら評価精度を高め、更新漏れを減らします。
対応プロセスの統合:発見から是正までのフローをワークフロー化し、タスク割り当てと進捗を可視化することでリードタイムを短縮します。
レポート/ダッシュボードは経営・監査双方に必要な観点で整備でき、説明責任を支援します。
ServiceNow IRM導入のメリット
対応スピードの向上:標準化されたプロセスで判断と実行を加速します。
コンプライアンスの効率化:ワークフローに沿った是正でリードタイムが短縮され、監査対応の証跡も同時に整い、コンプライアンス負荷の低減と、経営判断に資するリスク指標の可用性が高まります。
経営インサイトの強化:全社のリスク指標を可視化して揃えることで、投資配分や優先度決定を支援します。
小規模領域から開始して範囲を拡張しやすい点も、現実的な導入メリットです。
SecOps(Security Operations):セキュリティオペレーションとは?
SecOps(Security Operations:セキュリティオペレーション)とは、脆弱性管理、脅威検知、インシデント対応をつなぎ、セキュリティ運用を継続的に改善する領域です。
ServiceNowのSecOpsは、警告の集約、チケット化、エスカレーション、是正の追跡までを単一基盤で結び、関係者間の連携を自動化します。運用品質の平準化と継続的改善が進みます。
SecOps(Security Operations)の概要
SecOpsは、技術的な検知と業務プロセスの運用を融合し、迅速で再現性のある対応を実現します。目的は「見つけて終わり」ではなく、原因究明と再発防止まで一連のループを回すことです。
ServiceNowでは、アラートの集約、チケット化、関係者アサイン、進捗管理、レポートまでを一元化し、対応の標準化と継続的改善(CIP)を支えます。
ServiceNow SecOps の主要機能
脆弱性の検知〜対処の自動化:資産情報と照合し、優先度を付けて是正を促進します。
インシデント対応プロセス管理:起票から封じ込め、復旧、事後レビューまでを可視化します。
関連情報の一元化:ダッシュボードで経営・運用双方が状況を把握できます。
ServiceNow SecOps導入のメリット
工数削減と初動短縮:自動化と標準化でアラート対応の負荷を軽減します。
更新漏れ・照合ミスの防止:最新データとの突合で更新漏れや照合ミスが減り、重大インシデントの見逃しを抑制します。
組織レベルの強化:統一したプロセスにより属人化が薄れ、教育・引き継ぎの負担も軽減、再発防止を徹底します。
ServiceNowのIRMとSecOpsで統合管理するべき理由
リスク管理の方針(守りの全社設計)とセキュリティ運用の実務(現場の即応)を同一基盤で回すと、指標・プロセス・責任の整合が取れます。個別最適を超えて、発見から是正までの一貫性が高まり、全社のレジリエンスが向上します。
基盤の統一は、運用負荷の軽減と監査対応の簡素化にも寄与します。
攻めと守りのリスク対策をひとつの基盤で回す
IRMが全社の視点でリスクを設計し、SecOpsが日々の運用でその設計を具体的な行動に落とし込みます。
両者が同じデータモデルとワークフローで連携することで、「方針」と「実務」の循環が生まれ、KPI(是正率、MTTR、遵守率など)を共通語に改善が進みます。「構想」と「実行」の断絶が減り、守りのDXが実効性を持ちます。
分断されたシステムや運用を統合し、全社最適へ
部署ごとに異なる台帳、ツール、判断基準を残したままでは、優先度づけやリソース配分が歪みます。
ServiceNow上で台帳・評価・是正をつなげると、ダブルカウントや対応漏れが減り、チケットと是正計画の突合も容易になります。結果として、重複作業の削減と統制の強化が同時に進みます。
経営判断に直結するデータを整備できる
IRMの評価結果とSecOpsの運用実績(SLA、MTTR、是正率など)が基盤上でつながると、投資優先度や人員配置をデータで語れます。監査・コンプライアンス対応の証跡も同一の文脈で提示でき、レポートは即時性と一貫性を持ちます。
これが、リスクを「感覚」ではなく「データ」で語る組織への第一歩です。
ServiceNowで“守りのDX”を継続的に高める
IRMとSecOpsを同じ基盤で運用することは、単なる効率化にとどまらず、経営と現場の距離を縮める取り組みです。はじめは小さくとも、台帳統一と優先度づけの共通化から着手し、是正の自動化と可視化を段階的に広げることで、継続的な改善が現実になります。可視化・自動化・証跡の一貫性をベースに、継続的な改善サイクルを確立しましょう。
まずは全体像の理解から。「デジタル変革を実現する ServiceNow 導入・活用を徹底ガイド」をぜひご覧ください。




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