ServiceNow コラム

多くの企業が「業務効率化」「現場の負担軽減」「属人化の排除」といった課題を抱えていますが、改善が進まないことが多いです。そんな中、注目されているのが「ServiceNow」です。ServiceNowは、業務全体をデジタルワークフローでつなぎ、効率化を実現する統合型プラットフォームです。本コラムでは、ServiceNowの具体的な機能と活用事例を通じて、その真価を探ります。

はじめに:業務DXは「何から始めるか」が最大の壁

「業務効率化」「現場の負担軽減」「属人化の排除」――
多くの企業がこうした課題を抱えていながら、改善されず手つかずの状況が続いています。業務のデジタル化(DX)は企業の競争力に直結する重要なテーマであるにもかかわらず、現場には今なお、紙ベースの運用や、Excel・メールでの手作業が残り、情報は部門ごとに分断され、非効率な業務が存続し続けています。
こうした状況は、業務全体を横断的に俯瞰し、仕組みとして最適化できる「共通のプラットフォーム」がないことが根本的な要因です。また、社内システムが個別最適で構築されてきた結果、複雑な連携や重複作業が発生し、改革のハードルが高まっている企業も少なくありません。
さらに近年では、以下のような社会的な要請もDX推進を加速させています:
  • テレワーク・在宅勤務に対応した業務の可視化と統制
  • IT人材不足を背景とした運用自動化・効率化
  • サイバーリスクに対応するためのシステム統制・セキュリティ強化
  • 部門横断の業務連携と迅速なサービス提供
こうした複雑な課題を、ひとつのプラットフォームで統合的に解決するソリューションとして、近年あらためて注目を集めているのが「ServiceNow」です。
ServiceNowは、ITサービスマネジメント(ITSM)をはじめとする多様な業務領域に対応し、組織全体のプロセスをデジタルワークフローでつなぐことができる統合型プラットフォームです。IT部門だけでなく、人事、総務、調達、カスタマーサービスといった非IT業務にまで展開可能であり、業務全体のDXを一気通貫で支える基盤として多くの企業で導入が進んでいます。
本コラムでは、ServiceNowが提供する具体的な機能と活用のユースケースを紐解きながら、DXに踏み出せない企業が抱える壁をいかに乗り越えるか、そのヒントを探っていきます。

ServiceNowとは?

ServiceNowは、企業内のさまざまな業務プロセスをシームレスに統合・管理し、効率化を実現するプラットフォームです。
もともとはITサービス管理(ITSM)の領域が有名でしたが、現在は人事・総務・法務・財務といった社内業務にとどまらず、カスタマーサポートや顧客対応といった外部向けの業務にも幅広く活用されています。
その主な特徴は以下のとおりです:
  • 部門を横断した業務の連携や状況把握が容易
  • 手作業によるミスや業務の属人化を回避できる
  • システム改修においてもローコード/ノーコードで柔軟にスピーディに対応できる
こうした特性により、社内業務の効率化とともに、外部顧客への対応品質や満足度の向上にも貢献できるのが、ServiceNowの大きな魅力です。

ServiceNowでできること

~身近な業務課題を例に解説~

● IT部門の問い合わせ対応を仕組み化

対応の属人化や対応漏れが起きやすいITヘルプデスク業務において、ServiceNowは問い合わせ管理・優先度設定・ナレッジの再利用などを通じて、チーム全体の負荷を軽減します。

● 経理・人事・購買業務などの申請を一元化

紙やExcelでの申請・承認フローが煩雑になっている業務も、ServiceNow上でフロー化することで、進捗状況が可視化され、承認の停滞や重複申請といったリスクを減らせます。

● 顧客からの問い合わせ対応を一元管理

カスタマーサポートやコンタクトセンター業務では、複数チャネル(電話、メール、Webフォームなど)からの問い合わせをServiceNow上で一元的に受け付け、対応履歴・関連ナレッジを蓄積できます。
また、顧客向けポータルを通じて、問い合わせの進捗確認や自己解決支援(セルフサービスポータル)を提供することで、顧客満足度の向上と業務負荷の軽減を両立できます。

これらはあくまで一例ですが、ServiceNowはこうした現場ごとの課題に丁寧に向き合い、業務の継続的な改善を支えるプラットフォームです。

なぜ導入を迷う企業が多いのか

ServiceNowに興味を持っていても、次のような理由で一歩踏み出せないケースがあります。
  • 自社の業務は特殊でフィットしないだろう
  • 既存のシステムとの連携が複雑になりそう
  • 構築や運用に手間やコストがかかりそう
  • 導入した後、定着まで運用できるか不安
こうした不安は自然なことですが、ServiceNowは導入範囲を柔軟に絞れるモジュール構成で、スモールスタートによる段階的な導入にも適しています。
また、既存の業務との親和性を確認するためのPoC(概念実証)や、段階的な業務ヒアリングによる導入設計も可能なため、導入前の検討を着実に進めることができます。

進化し続ける業務環境に合わせ、内製化も見据えた柔軟な構築が可能

昨今では、自社のIT部門や業務担当者が主体となり、業務改善ツールを自ら設計・改善していく「内製化」の流れが強まっています。
ServiceNowは、ローコード開発ツール(App Engineなど)を提供しており、現場のアイデアやニーズを迅速に反映したアプリ開発を実現できます。
これにより、改善サイクルを社内で回せる柔軟性を備えた運用体制の構築が可能です。
一方で、初期段階ではServiceNow特有の設計思想やベストプラクティスの理解が求められるため、経験豊富なパートナーとの連携が、導入成功の重要なポイントとなります。

まとめ:業務改革の“起点”としてのServiceNow

業務の属人化、情報の分散、手作業の限界――。
こうした課題を乗り越えるためには、日々の業務そのものを見直し、仕組みとして再構築する必要があります。
ServiceNowは、現場に根差した課題を丁寧に拾い上げ、それを業務フローとして整理し、改善し続ける柔軟なプラットフォームです。
今、求められているのは「変革のきっかけ」です。
ServiceNowは、その第一歩として、確かな成果と持続的な進化を支える基盤になり得ます。

導入のご相談は、ServiceNowパートナーである当社へ

当社は、ServiceNowの認定パートナーとして、数多くの企業様における業務改革を支援してきました。
次のようなニーズに対して、丁寧に対応いたします:
  • まずは現状の業務課題を整理したい
  • どこから始めれば良いか一緒に検討したい
  • スモールスタートで始めて、段階的に拡張したい
  • 将来的に内製化を見据えた体制構築をしたい
「導入を前提とした相談」ではなく、“現状を整理し、どう変えられるかを一緒に考える”パートナーとして、ぜひ私たちをご活用ください。