ServiceNow コラム

内製化とは?よくある失敗例と内製化を成功させるServiceNow活用法

公開日
2025年2月13日
更新日
2026年5月27日

システム開発や運用のスピードが求められる中で、「内製化」を検討する企業が増えています。外部ベンダーへの依存から脱却し、自社で柔軟に対応できる体制を構築したいと考えるケースは少なくありません。

しかし内製化はスキル不足や属人化、無計画なカスタマイズなどにより、思うように進まず失敗に終わるケースも多く見られます。とくにプラットフォームを活用する場合、その特性を理解した上で進めることが重要です。

本記事では、内製化の基本を整理したうえで、実際によくある失敗例と成功のポイントを解説します。また、プラットフォームを活用した内製化の進め方についても、ServiceNowを用いて実践的な観点から紹介していきます。

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内製化とは?

内製化とは、システム開発や運用を外部ベンダーに委託するのではなく、自社内で対応する体制を構築することを指します。これにより、企業は自社の業務要件に即した柔軟な開発や運用が可能になります。

従来は外部委託が一般的でしたが、近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やビジネス環境の変化に伴い、スピードや柔軟性を重視する観点から、内製化への注目が高まっています。

DX時代におけるシステム内製化の背景と必要性

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、企業におけるITの位置づけは大きく変化しています。単なる業務支援ツールではなく、ビジネスの意思決定や競争力に直結する重要な基盤として捉えられるようになってきました。

こうした背景の中で、従来のように外部ベンダーに依存するだけでは、スピードや柔軟性の面で限界が生じるケースも増えています。そのため、自社でシステムを開発・運用する「内製化」を強化し、変化へ迅速に対応できる体制を構築することが求められています。

ここでは、内製化が求められる理由とともに、プラットフォームを活用した内製化の方向性について整理します。

システムの内製化が求められる理由

DXの進展に伴い、企業にはこれまで以上に迅速で柔軟なIT対応が求められるようになっています。その中で、システムの内製化が注目される背景には、主に以下のような理由があります。

・迅速なシステム開発・変更対応
市場環境やビジネス要件の変化に即応するためには、システムの改修や機能追加をスピーディに行う必要があります。外部ベンダーに依存した開発では、調整や契約の都合上どうしても時間がかかるケースが多く、内製化によって社内で柔軟に対応できる体制が求められています。
・コスト最適化
外部ベンダーへの開発・運用委託は、長期的に見るとコストが膨らみやすい傾向にあります。内製化を進めることで、不要な外注コストを抑えつつ、自社の優先度に応じた投資が可能になります。
・ノウハウの蓄積と技術内製化
システム開発や運用を外部に依存し続けると、社内に知見が蓄積されず、結果としてブラックボックス化が進むリスクがあります。内製化を通じて技術や業務知識を社内に蓄積することは、長期的な競争力の強化にもつながります。

プラットフォーム活用による内製化の可能性

近年では、開発基盤となるプラットフォームを活用することで、内製化のハードルを下げる動きも広がっています。従来のようにフルスクラッチ開発を前提とせず、既存の機能や仕組みを活用しながらシステムを構築できるため、スピードと効率を両立しやすくなっています。

たとえばServiceNowのようなプラットフォームでは、ITサービス管理(ITSM)を軸に、業務プロセスの自動化や標準化を実現することが可能です。

・ノーコード/ローコードによる開発効率の向上
GUIベースでのアプリケーション開発が可能なため、専門的なプログラミングスキルがなくても現場主導で改善を進めやすくなります。
・柔軟なカスタマイズと標準機能の両立
標準機能をベースにしつつ、自社の業務に合わせたカスタマイズが可能です。一方で、適切な管理が求められ、無秩序な拡張は逆に複雑化を招く可能性があります。
・拡張性と一元管理
ITSMだけでなく、人事やカスタマーサービス、セキュリティ対応など、複数の業務領域を横断して統合できるため、システム間の分断を防ぎながら運用できます。
・ベストプラクティスの活用
あらかじめ業界標準のワークフローやプロセスが組み込まれているため、ゼロから設計する負担を軽減しつつ、効率的な業務設計が可能になります。

内製化の失敗談

内製化は多くのメリットがある一方で、進め方を誤るとかえってコスト増や業務停滞を招くリスクもあります。特に、十分な準備がないまま内製化を推進してしまうと、想定していた効果を得られないばかりか、組織全体の負担が増えてしまうケースも少なくありません。

ここでは、実際に内製化の現場で起きやすい代表的な失敗例を取り上げ、その背景にある課題とともに整理します。

失敗談①:スキル不足による開発停滞

内製化を進めたものの、担当者のスキル不足により開発が思うように進まず、結果的に外部ベンダーに依頼することになったケースです。

内製化によるコスト削減やスピード向上を期待していたものの、想定以上の時間とコストがかかってしまいました。特に、初期段階で適切なトレーニングや教育が行われていなかったことが要因となり、開発効率が大きく低下しました。

作業の手戻りや品質のばらつきも発生し、結果として内製化のメリットを十分に活かせない状態に陥ります。

失敗談②:属人化した運用体制

特定の担当者のみがシステムを理解している属人化の状態に陥り、その担当者の異動や退職をきっかけに運用が立ち行かなくなるケースです。

ドキュメント整備やナレッジ共有の仕組みが不十分なまま内製化を進めたことが原因で、システムの全体像を把握できる人が限られてしまいました。その結果、新たな担当者がキャッチアップするまでに多くの時間を要し、業務の継続性に影響を及ぼします。

このような状況は、内製化のはずが“個人依存の体制”になってしまう典型例といえます。

失敗談③:無計画なカスタマイズによる複雑化

初期の要件定義が不十分なまま開発を進めたことで、場当たり的なカスタマイズが積み重なり、システム全体が複雑化してしまうケースです。

短期的には要望に対応できているように見えても、全体設計が整理されていないため、機能同士の依存関係が増え、保守性が低下します。その結果、改修やバージョンアップのたびに影響範囲の確認や調整に多くの工数がかかり、想定以上のコストが発生します。

失敗談④:無秩序な開発によるメンテナンス性の低下

開発方針やルールが明確でないまま機能追加を繰り返した結果、システム構造が複雑化し、メンテナンス性が著しく低下するケースです。

ガバナンスが不十分な状態では、担当者ごとに異なる設計や実装が行われ、コードや設定の統一性が失われます。そのため、バージョンアップや改修の際に影響範囲の把握が難しくなり、テスト工数も増大します。結果として、将来的な拡張性や安定運用が損なわれる要因となります。

内製化を成功させる秘訣

ここまで見てきたように、内製化は単に「社内で開発する」だけでは成功しません。

スキル不足や属人化、無秩序なカスタマイズといった課題に対処しながら、継続的に運用できる体制を整えることが重要です。そのためには、開発体制やルールといった基盤を整備するだけでなく、適切なプラットフォームを活用し、組織全体で開発と運用を回していくための仕組みを構築する必要があります。

ここでは、内製化を成功させるための具体的なポイントとあわせて、ServiceNowを活用した進め方、さらに組織としてスケールさせるための考え方について解説します。

内製化を成功させるためのポイント

内製化を成功させるためには、技術だけでなく、組織としての進め方やルール設計も含めた全体最適が求められます。特に重要となるのが以下のポイントです。

・明確な戦略と計画の策定
内製化の目的や対象範囲をあらかじめ定義し、段階的に進めることが重要です。場当たり的に進めるのではなく、優先順位を明確にしながら取り組むことで、効果を最大化できます。

・スキル習得のための教育・研修
社内で開発や運用を担う人材には、適切なトレーニングが不可欠です。ツールの使い方だけでなく、設計や運用の考え方も含めたスキル習得を進めることで、開発効率と品質の向上につながります。

・ガバナンスの確立
開発ルールや運用プロセスを標準化し、担当者ごとにやり方が異なる状態を防ぐことが重要です。これにより、属人化の防止やメンテナンス性の向上につながります。

・外部パートナーとの適切な連携
内製化はすべてを自社で完結することではなく、必要に応じて外部パートナーの知見を活用することも重要です。初期導入や高度な課題対応などは専門家の支援を受けることで、よりスムーズに進めることができます。

ServiceNowを活用した内製化の進め方

プラットフォームの特性を理解したうえで内製化を進めるには、「どのように現場に落とし込むか」という視点が重要になります。

ServiceNowを活用した内製化では、まず業務プロセスを整理し、標準機能をベースに段階的に開発・改善を進めるアプローチが有効です。初期段階からすべてを作り込むのではなく、小さく構築しながら運用を通じて改善していくことで、過度なカスタマイズや手戻りを防ぐことができます。

また、インシデント管理や変更管理といった運用プロセスを標準化しながら進めることで、開発と運用が分断されない体制を構築できます。これにより、内製化において課題となりがちな属人化や運用品質のばらつきを抑えることが可能です。

なお、ServiceNowの機能や特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

内製化をスケールさせるためのSAFeの考え方

内製化がある程度進むと、複数のチームや部門が関わるようになり、個別最適ではなく「全体としてどう回すか」が重要な課題となります。こうした状況において有効なのが、SAFe(Scaled Agile Framework)と呼ばれるフレームワークです。

SAFeは、アジャイル開発の考え方を組織全体に適用し、大規模な開発を統制しながら進めるための手法です。主なポイントは以下の通りです。

・組織全体でのアジャイル適用
開発チームだけでなく、ビジネス部門やマネジメント層も含めて共通の目標を持ち、連携して開発を進めます。

・計画の統合とスプリントの調整(PI計画)
複数チームの開発計画を統合し、全体として整合性を保ちながら進めることで、開発の遅延や手戻りを防ぎます。

・DevOpsとの統合
開発と運用を分けるのではなく、一体として継続的に改善していく仕組みを構築します。

・可視化と透明性の確保
KPIや進捗を可視化し、組織全体で状況を共有することで、意思決定のスピードを高めます。

ServiceNowのサポート SAFeの役割
アジャイル開発の拡張 Agile Development 2.0によるアジャイル管理 大規模なアジャイル開発を組織全体で実装
DevOps統合 DevOpsツール連携によるCI/CDの強化 継続的なデリバリーを推進
IT運用との連携 インシデント・変更管理とのシームレスな連携 ITSM/ITOMと開発の統合
経営層の可視化 Performance Analyticsによるダッシュボード提供 戦略と実行の整合性を確保

このように、ServiceNowによる開発・運用基盤の整備に加え、SAFeのような組織的な枠組みを取り入れることで、内製化を持続的に成長させることが可能になります。

内製化を成功させる近道はServiceNow活用

内製化はスピードや柔軟性の向上といったメリットがある一方で、スキル不足や属人化、運用の複雑化といったリスクも伴います。これらに十分対処しないまま進めると、かえってコストや負担が増加する可能性があります。

そのため、内製化を成功させるには、開発だけでなく体制や運用を含めた全体設計が重要です。その中で、ServiceNowのようなプラットフォームを活用することで、開発と運用を一体で管理しながら継続的な改善が可能になります。

ServiceNowの具体的な機能や活用方法については、以下の資料もあわせてご覧ください。

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