2024.10.17

思考力・創造力を伸ばす

「夏休みデザインワークショップ」イベントレポート

2024/8/3(土), 4(日)TDCソフト社員とそのお子様を対象に、工作を通してUXデザインを学ぶことで身近に感じてもらうことと、TDCソフトが開発した「UXデザインスターターキット」の効果検証を目的としたワークショップを開催しました。普段の工作とは一味違う「ユーザ視点」の工作に取り組んだワークショップの様子をお伝えします。

背景

TDCソフトはシステムインテグレーション企業ですが、業務に従事する中で「今後は誰にとってもデザインの力が必要な世の中がやってくる」と考えるようになりました。

そこで、本ワークショップの主催であるCX&UXデザイン推進部は「すべての人にとってデザインを次のあたりまえに」というミッションを掲げ、非デザイナーでもUXデザインの一連のプロセスを実践可能なワークシート「UXデザインスターターキット」を開発しました。これまでに、非デザイナーの社会人、大学生向けに効果検証を実施し、有効であることを確認してきましたが、すべての人にとってあたりまえにするためには、より小さな子どもたちにも早いうちからデザインに触れてもらうことが必要だと考えました。

そこで、小学生を対象にUXデザインスターターキットを活用したデザインの体験ができるワークショップを開催し、デザインの教育と親子のコミュニケーションが取れる機会を作りました。

UXデザインスターターキットとは

UXデザインスターターキットは、非デザイナーでもデザイナーと同じ思考をすることにより、ユーザ目線でモノやサービスづくりができるようになることを目的に開発しました。 UXデザインの各6プロセスに応じた9種類のワークシートとマニュアル、デザインをする人自身が内容の質をチェックできるチェックシートがセットになっています。ワークシートは実施テーマに応じて取捨選択し、最適なプロセスでデザインに取り組むことができます。

夏休みデザインワークショップは参加者が小学生であるため、難しい、つまらないという印象にならないようカラフルな配色、子どもに寄り添った言葉遣い、すべての漢字にふりがなを振るなど楽しく取り組める工夫を行いました。

講師紹介

講師はCX&UXデザイン推進部の桑名のどかが務めました。

デジタルテクノロジー本部 デザイン&テクノロジーコンサルティング統括部 CX&UXデザイン推進部

HCD-Net認定人間中心設計スペシャリスト 桑名 のどか

HCD-Net認定人間中心設計スペシャリストとは、人間中心設計推進機構が実施するHCDの専門家認定制度です。人間中心設計は「ISO 9241-210」、「JIS Z 8530:2021」で制定された規格であり「人間工学−インタラクティブシステムの人間中心設計」に基づき人間中心設計推進機構では「人間中心設計」を実践できるコンピタンスを備えた人物を専門家として認定を行っています。

2019年に入社後、小中学校教育向けサービスのアジャイル開発PJで開発経験を積み、2022年からUXデザイン事業に参画。運送、教育、地方自治体向けのUXデザインサービスや社内研修講師を務めています。

ワークショップ概要

夏休みデザインワークショップ

日時 : 2024/8/3(土)4(日) 10:00~15:00 (いずれか1日を選択)
主催者 : TDCソフト株式会社
対象者 : TDCソフト社員のお子様(小学1~6年生)

当日の流れ

2日間合計で15名のお子様が参加し、UXデザインのプロセスの中で以下のプロセスを体験しました。8/4(日)は明治安田生命保険相互会社の若月さま、竹田さまにもボランティアとして参加いただき、子どもたちへのアドバイスや工作の手伝いをしていただきました。

アウトプット例(Yさん9歳)

「片付け」をテーマにインタビューをし、お母さんが「Yさんに自分でお片付けをしてほしい」という課題を持っていることを発見しました。そこで、普段自分が見慣れている、時間割りのような形式でその日整理するものを決めておくアイディアを考えました。

「もし守れなかったら、ゲーム禁止にしたよ!」と守れなかった自分へペナルティを科すようなデザインにしているところから、お母さんのニーズに応えようとする思いが伺えます。

実施結果

運営、保護者、子どもたち自身の3つの視点で評価した結果、スターターキットを利用した小学生のデザイン実践は概ね可能と評価しました。

運営目線の評価

保護者目線の評価

子どもたち自身の評価

デザインマインド・プロセスを問う全4問のテストによって行いました。その結果、年齢に関係なくマインドやプロセスの順番を理解できていることが分かりました。特にプロセスを問う2問は15名のお子様全員が正解しており、「デザインで一番初めにすることは困っていることを知ることだとわかった」「デザインには順番があることがわかった」とコメントをいただきました。

参加者の声

ワークショップに参加したお子様、保護者の方から以下のようなコメントをいただきました。

お子様

  • 相手の要望に完璧に応えるってことはすごく難しい。(11歳)​
  • どういう風に作ったらうまくできるのかを考えて、試行錯誤するのが楽しかった。(12歳)​
  • デザインで一番初めにすることは困っていることを知ることだとわかった。(9歳)​
  • デザインには人への思いやりの心があることがわかった。 (11歳)​

保護者

  • 家に着いて早速、利用して、使いにくいところやお友達の作品を参考にさらに改良していた。​
  • 問題解決できるデザインを考えられていて、いつもの制作よりレベルが高かった。​
  • いつもは自分目線で作成する工作も今回は使いやすさを考えて作られていたし、満足せずに改良してより良いものを作ろうとする気持ちが伝わってきた。​
  • 視点を変えて作ることで新しい発見があり勉強になった。​

デザイン教育はぜひTDCソフトへ

今回の夏休みデザインワークショップを通して、子どもたちがユーザ目線でモノづくりをする面白さ、やりがいを体験する機会を提供いたしました。

TDCソフトでは以下のような課題やお悩み以外にも様々な課題解決に尽力しております。

  • 社員に主体的、協働的に問題発見、解決していく力を身に付けさせたい。
  • 将来的にも活躍できる人材を育成したい。
  • 課題や問題に臨機応変に対応できる人材を育成したい。

人材育成のための研修サービスも多数提供しておりますのでお気軽にお問い合わせください!